誰でもが安心して安全に暮らせるバリアフリーな社会の実現を目指し、市民生活を取り巻く環境の諸問題などをテーマとしたシンポジウム・講演会を開催し、バリアフリーの啓蒙・啓発に取り組んでいます。

人の生活は安らぎの館である「家」、生活の糧を得る「職場」、余暇や衣食をエンジョイする「公共・娯楽施設」などの場所とそれぞれを結ぶ移動手段によって成り立っています。障害者や高齢者あるいは妊産婦、子供など、社会で暮らす全ての人が難渋することなく生活を営むには、個々の生活場面がバリアフリーに配慮され、そしてそれぞれの配慮策が互いにバリアフリーにつながってはじめて実現されます。

そこでシンポジウムや講演会では特に、当事者、支援者、有識者などから生活に難渋を強いられている人達の現実を紹介し、より多くの人に社会に潜むバリアを知って頂くと共に、その難渋を取り除く方策を当事者、専門家双方の立場から紹介して頂き、難渋が取り除かれた社会実現への具体的な足取りを提案しています。

開催は地方都市でも行っており、鹿児島県川内市では地元行政と一体となったシンポジウムを開催し、山間部に在宅高齢者を抱える行政がバリアフリーな施策を立案し円滑に実行していくために必要不可欠な住民とのコンセンサスのあり方などについて市民・行政・専門家が討議しました。

また、日本の高齢者、障害者対策は世界の先進国から見れば遅れており、福祉先進国の好例を日本流にアレンジして取り入れる必要があるという視点で、米国の連邦運輸省予算・政策担当補佐官・主席財務官のマイケル・ウインター氏による米国の障害者交通政策の 現状を紹介する講演会を開催しました。

「バリアフリー」という言葉は多くの人が耳にするようになりましたが、バリアフリーはただ単にそのモノだけが良くなっても意味はなく、社会の中のシステムにごく自然に溶け込んではじめて有意義な配慮策となります。バリアフリーの社会を実現するには配慮策を社会に溶け込ませることが不可欠です。シンポジウム・講演会では、このごく自然に見える配慮策のあり方を啓蒙・啓発することを主眼としています。